• 洋子

デーモン・クラシー → デモクラシー(民主主義)

更新日:4月26日

アナスタシア。。。皆さん、読まれましたか? 宇宙、地球が生まれてから今日まで 深い叡智がアナスタシアを通して語られます。引き込まれるのは、私のDNAにもそれが刻まれているから???

そんな「アナスタシア ロシアの響きわたる杉シリーズ 8−1 新しい文明 上」 から ”なるほど〜”と二度読みした箇所を抜粋して紹介します。 正しい、良い事と信じて疑わなかったモノが崩れてゆく、そして広い世界が現れ、本当の自由の風が吹き始める。


 奴隷たちはピカピカに磨かれた石を運びながら、列をなしてぞろぞろと歩いていた。奴隷の隊列は一列で1.5キロメートルの長さがあり、それが四列並んで石切り場から要塞の建設がはじまった都市部まで延びていた。10人の奴隷ごとに一人の警備兵が付き、目を光らせていた。奴隷の列から少しそれたところにある、磨き石を積み上げた高さ三十メートルほどの築山の頂上には、最高神官であるクラシーが座っていた。彼は四ヶ月もの間、そこで起こっていることを静かに観察していた。奴隷や警備兵たちは、山頂にある玉座を景観の一部として捉えており、そこで玉座に座ったり広場を歩き回ったりしている人の姿には、誰も注意を払っていなかった。彼の深い思考を邪魔する者は誰もいなかったし、彼に眼差しを向ける者すらいなかった。クラシーは、神官の権力を強固にして国を再構築するという課題を己に課していた。それによって、神官以外のすべての人間を奴隷として先年間服従させようとしていた。

***

 あるときクラシーは、山頂の玉座に自分の影武者をおいて築山を下りた。神官である彼は衣を変え、かつらを外すと、警備隊長に命じて、自分を隊列の中のナルドという名の若くて力持ちの奴隷のうしろに鎖でつながせた。

 それはこの若者に、他の奴隷たちに見られるような彷徨い茫然とした眼差しではなく、探究心と計算高さがあることに氣が付いたためだった。ナルドは集中して物思いに耽っているかと思えば、不安に駆られたような緊張感を見せることもあった。”つまり、この男は何か計画を企てているのだな”と察知した神官は、自身の考察の正しさを確認しようと思っていた。

 クラシーは二日間、何も言わずに石を引きずりながらナルドを観察した。食事の際には隣に座り、就床の際は隣で寝た。三晩目のこと、”就寝”の指示が出るや否や、クラシーはナルドの方を向き、悲しみと絶望が入り混じった声で誰にともなくささやいた。

「こんなことが残りの人生でもずっと続くというのか?」

その言葉に反応して身体が少し動いたかと思うと、ナルドはすぐさま神官の方に顔を向けた。広い奴隷小屋のほの暗い灯りの下であっても、彼の眼は光っていた。

「それほど長く続きはしない。俺は計画を考えているところなんだ。爺さん、あんたも一緒にやるかい?」若い奴隷は囁いた。

「どんな計画だい?」神官は無関心を装い、ため息をつきながら尋ねた。

ナルドは熱心に、そして自信を持って説明をはじめた。

「爺さん、あんたも俺も、ここにいるみんなが、奴隷ではなく自由な人間になるんだ。考えてみろよ、爺さん。十人の奴隷にたいして一人の警備兵だ。それに食事を作ったり服を縫ったりしている女奴隷にも、十五人にたいして一人しか見張りの警備兵が付けられていない。もしもある時刻に、皆で一斉に警備兵を襲えば、俺たちが勝つ。向こうは武装しているが、俺たちだって、つながれた鎖がある。俺たち十人にたいして相手は一人だ、鎖だって武器になる。剣を振りかざされたら鎖で防御するんだ。そして警備兵全員を縛って武器を奪い、俺たちが武装する」

「おや、若者よ」。クラシーは再びため息をつき、冷めた様子で言った。「お前の計画は不十分だ。わしらを見張っている警備兵の武器を奪うことは出来るだろうが、ファラオが新しい兵、ともすれば全軍を送ってきて、蜂起した奴隷を皆殺しにするだろうよ」。

「それについてはもう考えてあるよ、爺さん。だから軍がいない時を狙うんだ。そしてその時は来ている。おそらく今、軍は遠征に向けて準備をしている。奴らは行軍用の食料を三ヶ月分用意している。つまり軍は三ヶ月以内には敵国に到着し、先頭に入るってことだ。戦闘で軍は戦力を失うだろうが、勝利して大勢の新しい奴隷を捕まえてくるはずだ。すでに、そのための新しい収容小屋が立てられている。俺たちは、この国のファラオの軍隊が他国の軍との戦闘に入ったら、すぐにここにいる警備兵の武装解除を始めるんだ。ここの急使が遠征している軍に、大至急戻る必要があるという知らせを届けるには1ヶ月はかかる。さらに、弱体化した軍がここまで戻ってくるには三カ月以上かかるだろう。その四ヶ月の間に戦闘の準備をするんだ。頭数では軍の兵に負けてはいない。そして連れてこられた新しい奴隷たちも、起きていることを目にすれば、俺たちの側に付く。すべてを想定してあるんだ、爺さん」

「そうだな、若者よ。そこまで想定して計画しているなら、警備兵の武器を奪い、軍隊に打ち勝つことができるだろう」。神官は元気づいたふりをしながらそう答えると、付け加えて言った。

「しかし、わしら奴隷は、そのあと何をしたらいいのかね?それにファラオは、警備兵や兵士たちは、どうなるんだね?」

「そのことはまだ十分に練っていない。今のところ言えるのは・・・奴隷だった者は全員奴隷でなくなり、奴隷でなかった者たちが奴隷になる、それだけだ」

まるで今考えているかのように、ナルドは定まらない答えを返した。

「では神官たちはどうなるのかね?若者よ、教えてくれ。神官たちは、奴隷または奴隷でない者のどちらに属することになるんだね?」

「神官? 神官のことも考えていなかったな。しかし今考えるに、神官たちは今のままでいればいい。奴隷もファラオも、神官の言うことは聞いている。彼らの言うことはときに理解しがたいものだが、彼らは無害だ。神々のことを語らせておけばいい。自分の人生のことや、よりよく暮らすためにはどうすべきかについては、俺たち自身が一番わかっているのだから」

「よりよく・・・・それはよいことだ」。神官はそう答えて、ひどく眠たそうにした。

しかし、クラシーはその夜眠らずに思索していた。

”もちろん、若い奴隷を捕らえ、ファラオにこの陰謀を報告するのが一番手っ取り早い。この男が奴隷たちを扇動しているのは明らかだ。しかしそれでは根本的な解決にならない。奴隷たちは奴隷状態から解放されたいという強い願いをいつまでも持ち続けて行く。そしてその中で新しいリーダーが現れては、また蜂起を企てる、その繰り返しだ。それでは、大きな脅威が常に国家の内部に存在し続けることになる”

 クラシーの目下の課題は、全世界を隷属させるための計画を練ることだった。彼には、人々を物理的に強制させるだけでは目的を達成することはできないとわかっていた。

”一人ひとり、つまり民衆全員に心理的作用をおよぼすことが不可欠だ。人々の意識を変容させ、隷属自体がより高い幸福をもたらすものであるとして、全員を洗脳する必要がある。そのためには、全民衆が空間と時間とものごとを認識する力にたいして正常な感覚を失っていくように、永続的に自然展開していくプログラムを作動させることが不可欠である。現実を正確に知覚するための正常な感覚を失わせることが何より重要なのだ”

 クラシーの意識はいっそう速く働いたため、彼は身体の感覚も、手足に付けられた枷の重さも感じなくなっていた。そして突然、まるで稲妻に打たれたように、彼の頭にプログラムが浮かんだ。まだ細部は出来上がっておらず、具体的な説明は出来ないものの、それはすでに彼の心を燃え上がらせるほど壮大さを感じさせるものだった。そしてそのときクラシーは、己が世界を掌握したことを理解した。

 神官クラシーは、奴隷小屋の寝床で鎖につながれて横になったまま、心の中で地震のプログラムに魅了されていた。

”明朝、奴隷たちが労働に駆り出される時、警備隊長に合図を送って私の枷を取らせ、奴隷の隊列から外れよう。そしてプログラムの細部を練り上げ、短い言葉を発しよう。それによって世界が変わり始めるのだ。驚くべきことだ! たったそれだけの言葉で、世界が私に、私の意識に服従する。やはり神は本当に、大宇宙において、意識という比類なき力を人間に与えたのだ。意識によって生まれた言葉が、歴史の流れを変えていくのだ。

 今、この上なく都合のいい状況が整っている。何せ奴隷たちが暴動を企てているのだ。奴隷たちの計画は理にかなっており、一定の期間は彼らによい結果をもたらすだろう。しかし私はいくつかの言葉を発するだけで、今日の奴隷たちだけでなく彼らの子孫、さらには地上の奴隷を支配する者らをも、来たる何千年もの間、私に従わせることができるのだ”

 朝になると、クラシーは警備隊長に合図を送り、枷を外させた。そして翌日にはもう、他の五人の神官とファラオを展望広場に招集していた。集まった者たちの前で、クラシーは演説をはじめた。

「これから聞く話は、絶対に書き残してはならないし、言い伝えてもならない。ここには壁もないゆえ、私の言葉を聞いているのはあなた方だけである。私は地球上に生きる全ての人間をファラオの奴隷に変える方法を考えついた。これは、どれだけ多くの兵士を投入しても、激しい戦争を行っても叶わないことである。しかし私は、いくつかの言葉だけでそれをやってみせよう。その言葉を発した後、たった二日間で、あなたがたも世界が変わりはじめたことを確信するだろう。

 見よ、鎖につながれた奴隷たちが長い隊列をなして一つずつ石を運び、数多くの兵士が彼らを見張っている。国にとっては、奴隷の数が多いに越したことはない。我らは常にそのように考えてきた。しかし、奴隷の数が多ければ多いほど、彼らの反乱を警戒せねばならず、我らは警備を強化せざるを得ない。それに、奴隷たちに重労働をさせるためには、よい食料を与えなければならない。しかし、いずれにせよ、奴隷たちは怠けようとするし、暴動へも傾く。見よ、奴隷たちはあんなにものろのろと歩いている。しかも怠惰な警備隊は、追い立てもせず、健康で体力が余っている奴隷にさえも鞭をふるおうとしていない。

 だが、もうすぐ奴隷たちは、実に素早く動くようになる。警備兵すらも必要なくなるのだ。それどころか警備兵らも奴隷とかすのだ。そしてこれを、今から言う方法で成し遂げる。今日の日没前に、伝令役にファラオの命令を触れて回らせるのだ。『明日の夜明けとともに、奴隷たちに完全なる自由を与える。汝らは、石を一つ都市まで運ぶごとに、一枚の硬貨を受け取ることが出来る。硬貨を集めれば、食べ物や衣服、住居だけでなく、都市部の宮殿や都市そのものにも交換することができる。明日から、汝らは自由な人間である』と」

クラシーの話を理解すると、最年長の神官が言った。

「クラシーよ、お前はデーモン(悪魔)だ。お前が考えた悪魔の仕組みが、この地上の大部分の民衆に覆いかぶさるであろう」

「私のことをデーモンだと言うがよい。そしてこの構想を、将来デモクラシー(民主主義)とよばせるがよい」

***

 日没の命令が言い渡されると、奴隷たちはひどく驚愕した。多くの奴隷たちは、これから訪れる幸せな暮らしに思いを巡らせ、眠りにつくことができなかった。

 次の日の朝、神官らとファラオは再び築山の広場に集まった。彼らの眼下に広がる光景は想像を絶するものだった。そこには昨日まで奴隷だった何千人もの人間が、これまでと同じ石を我先にと運んでいる姿があった。多くの者たちは、汗まみれになって石を二つずつ運び、一つずつしか運べない者たちは、塵を巻き上げて走りながら運んでいた。その中には数人の警備兵すら混じっていた。枷を外され、自分は自由であると思い込んでいる人々が、それぞれの幸せな暮らしを築くために、所望の効果を少しでも多く得ようと必死になっていた。

 クラシーはさらに数ヶ月間を築山の展望広場で過ごし、山の下で繰り広げられている光景を満足げに観察した。変化は凄まじいものだった。奴隷たちの一部は小さな集団を形成し、用意した台車の上に石を積み上げ、汗にまみれて代車を引いていた。

”彼らはこれからも、多くの装備を次々と発明するだろう”。悦に浸りながらクラシーは思った。”水や食べ物を運搬する者たちまでもが現れた。もう支援サービスまで生まれたのだ。食べ物を摂るために戻る時間を惜しみ、稼いだ硬貨で代金を支払い、食べながら歩く者もいる。おお、なんたることか、医師まで現れた。道中で苦しんでいる者を救助し、やはり対価として硬貨を受け取っている。もう交通係まで専任されているではないか。じきに上官や裁判長も選ばれることだろう。好きにするがいい、それが自由であると思っているのだから。それでも、ことの本質は何も変わらない、結局彼らはずっと石を引きずっているのだから・・・”。

 こうして人々は先年もの間ずっと、塵の中で汗にまみれながら、重い石を引きずって走っている。そしてその奴隷たちの子孫は今日も、無益に走り続けている・・・・

***

「アナスタシア、おそらくきみは、現代の雇われ労働者のことを言っているんだろう?それならわかる。しかし企業のトップや官僚、実業家なんかは奴隷の部類に入れることはできないよ」

「ウラジーミル、あなたは彼らを奴隷とは異なると思うのね。じゃあ、どんな違いがあるのか説明して見て」

「確かに、現代にも奴隷のように単に働いている、いわゆる石を運んでいる者もいるが、運搬に指示を出す者、現代風に言うならば、生産工程を管理する者もいるじゃないか」

「でも管理することだって、形を変えた労働なだけで、石を運搬するよりも大変な場合もよくあるわ」

「それは・・・・そうだな、確かに実業家は普通の人たちよりもたくさんのことを考えなきゃならないものだ。実業家の意識は朝から晩まで仕事でいっぱいだからな。ということは、ファラオや大統領、首相たちも同じように奴隷ということになるのかい?」

「ええ、そうよ。そしてこの重大な破壊的構想を始動した神官たちでさえも、奴隷になってしまったの」

「しかし、奴隷がいるならば、奴隷の所有者もいるはずだ。きみが言うように神官でさえも奴隷になったのなら、所有者は誰なんだ?」

「奴隷の所有者は、人間によって作り出された人工的な世界。そして警備兵たちは今も大部分の人々の内にいて、鞭を打ちながら効果を稼ぐよう敷いている」

「なんと悲しい構図だ。そして逃げ場のない袋小路だ。過去一千年の間にあらゆる帝国が生まれては滅び、宗教や法律も次々と変わってきたが、その本質は何一つ変わっちゃいないんだな。以前からそう出会ったように、人間は奴隷のままだ。この状況は、本当に修正できないものなのか?」

「いいえ、できる」

「どうすればいい?そんなことが誰にできるんだ?」

「イメージよ」

「イメージってどういう意味だ?どんなイメージなんだ?」

「今と異なる状況が人々の未来に広がっているというイメージ。ウラジーミル、自分自身で判断して見て。今日、お金の力で世界をコントロールしている人々は、人間の幸せは権力とお金によってしか、もたらされないと考えている。そして彼らは、大勢の人々が効果を稼ごうと懸命になっている様子を見て、自分たちの考えはやはり正しかったのだと確信している。でもよく、本当によくあることだけど、この無意味な競争は、勝者たち自身も苦しませている。幻想の高みへと到達した彼らは、誰よりも自分の人生の無意味さを痛感している。

 今から未来の光景をひとつ見せるわね。それをあなたに本の中で描写してほしいの。その光景が現実になると嬉しいわ・・・・」

サラリーマンも農家も学校の先生も政治家も年金生活者もみんなみんな金融奴隷になっている。それに氣が付いたら手放そう。 お金無しで分け合い、助け合い、笑い合い、尊重し合い、許し合う。。。そんな安心安全楽しい日本をこれから作りたい。作るよ!

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